犬猫の麻酔モニタリングをする上で、知っておかないといけない用語がいくつかあります。
ただ、その用語を知らないと犬猫の麻酔モニタリングはできません。
例えば、
・VTやMVの意味は?
・バランス麻酔とは?
などを、愛玩動物看護師専門の当サイトが「犬猫の麻酔モニタリングに必要な用語」について詳しく丁寧に解説していきます。
始めて犬猫の麻酔モニタリングを学ぶ方はぜひご覧ください!
また、「犬猫の麻酔モニタリングって何?、覚える必要あるの?」と思った方は下記もご参考にしてくださいね。
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必要な用語
犬猫の麻酔モニタリングで知っておかないといけない用語は大きく分けて、
- 生体情報モニタ
- 人工呼吸/麻酔器
2つの機器で使われることが多いです。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
生体情報モニタ
生体情報モニタでは、「心電図、心拍数、血圧、経皮的動脈血酸素飽和度、呼気終末二酸化炭素分圧」などを測定し画面に測定値を表示してくれます。
HR
また、生体情報モニタでは心電図の波形も表示されます。
心拍数の正常値は「動物種や年齢、疾患」などによって異なりますが、麻酔をかける前の心拍数を目安にするのも良いでしょう。
犬・猫の一般的な正常値については下記をご参考にしてみてください。
動物看護師の基本「バイタルサイン4つの項目」
SpO2
正常値は95%~100%で表され、異常値は95%以下になります。
パルスオキシメーターという、光が出ているプローブを皮膚(舌、耳、手、足、陰部)につけると自動で測定します。
ただし、チャウチャウのような舌が黒い場合や、被毛が黒色だと正しく測定することはできません。
EtCO2
単位は「mmHg」という圧力の単位を使い、呼び方は「ミリメートルエイチジー」もしくは「ミリメートルマーキュリー」と呼びます。
正常値は35~40±5ですが、動物種によって正常値は若干異なるので目安程度にしておきましょう。
EtCO2と合わせて表示されるカプノグラムは、二酸化炭素分圧を波形として表示したものです。
SBP / DBP / MAP
単位はEtCO2と同じ「mmHg」を使います。
正常値は「動物種や年齢、疾患」などによって異なりますが、MAPが60mmHgを下回ると低血圧を引き起こす可能性があります。
また、生体情報モニタのメーカーによって、SYS / DIA / MAPのように表示が異なります。
その他の血圧の表示や略については、下記のカルテ用語をご参考にしてください。
動物病院でよく使われるカルテ用語まとめ
以上が生体情報モニタでよく使われる用語になります。
導入している機器やメーカーによって、
- 揮発性麻酔薬濃度
- 観血血圧
- 換気量
- O2濃度
- 体温
などが表示されていることもあるので、これらの用語も見慣れておきましょう。
人工呼吸/麻酔器
手術において麻酔器は人工呼吸器とセットで使用されます。人工呼吸器は呼吸を補助するための機器で、それに合わせて麻酔ガスを患者に吸引させることが出来ます。
それぞれ関連する用語を見ていきましょう。
RR(respiratory rate)
麻酔下での犬猫の呼吸数は8~14bpmが目安となります。
VT(tidal volume)
一回換気量は、一回呼吸したときの出入りするガスの量です。
犬の肺用量では、15±5 ml/kgが目安となります。
MV(minute volume)
分時換気量は、一分間で呼吸したときの出入りするガスの量です。
犬の肺用量では、180~250 ml/kg/minが目安となります。
仮に犬3kgだった場合の計算方法は、VT一回換気量(45ml)×RR呼吸数(10回)=MV分時換気量(450ml)です。
PEEP(positive end-expiratory pressure)
呼気終末陽圧は、呼気の終わりに陽圧を維持することです。
例えば、風船を膨らませるときは強い圧で空気をいれますが、少し膨らんだ状態であれば少しの圧で膨らみますよね。
簡単に膨らむことから、患者の呼吸仕事量を軽減させたり、肺を保護する役割があります。
バランス麻酔
つまり、麻酔下では「意識がない、痛くない、動かない、自律神経反射の抑制」が重要になってきます。
これらが一つでも効いていない場合は、手術の進行を妨げるか拷問状態になってしまいます。
まとめ
犬猫の麻酔モニタリングを行う際は、麻酔に関する用語を最低限覚えないといけません。
用語をしっかり理解しないと大きな事故につながってしまいます。
意味を忘れてしまったら見直ししてみてくださいね。
用語は随時追加していくので、定期的にチェックしてください!
また、「動物病院でよく使われるカルテ用語」はこちらをご参考にしてください!
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