入院動物の食事管理ってとても大変ですよね。
例えば、
- ・疾患ごとにフードを選択したり
- ・エネルギー要求量を計算したり
そんなときは、犬猫の給与量とカロリーを自動で計算してくれるツールで解決します。
その使い方を愛玩動物看護師専門の当サイトが詳しく丁寧に解説していきますので、
明日からお試しください!
「犬・猫の給与量カロリー計算ツール」はこちら
犬・猫の給与量カロリー計算ツールでできること
※上記画像はスクリーンショットです
この計算ツールでは、
- RER:安静時のエネルギー要求量
- DER:1日あたりのエネルギー要求量
- 1日あたりの給与量(目安)
- 1回あたりの給与量(目安)
以上の4つを自動で計算してくれます。
入院動物の給与量を決めるときは、かならずRERを計算しないといけませんが、
それらの手間を省けるのがこの計算ツールの特徴です。
それぞれの用語の意味は?
このツールを使うにあたり知っておかないといけない用語があります。
それが、「RERとDER」です。
それぞれ見ていきましょう。
RER: 安静時のエネルギー要求量とは?
活動量がほとんどないときの必要なエネルギー量のことです。
例えば、入院動物はケージの中で管理される、ケージレスト(絶対安静)という状態です。
活動量が無いにも関わらず一般的な量にすると、フードを多くあげることになってしまいます。
なので、計算式を使ってその子に合わせた量で調整します。
RERの計算式は2種類あります。
「体重に基づく計算方法」と「体表面積に基づく計算方法」です。
詳しくは別の記事で解説したいと思いますが、
ざっくり言うと、体重2kg~45kgまでで簡単に早く計算できるのは「体重に基づく計算方法」 で、
2kg~45kg以外で正確に計算したいときは「体表面積に基づく計算方法」です。
「体重に基づく計算方法」の計算式は、30×体重+70
「体表面積に基づく」の計算式は、70(体重)0.75乗 もしくは 体重×体重×体重=√√×70=
DER:1日あたりのエネルギー要求量とは
個体それぞれの活動量や生活環境を考慮したエネルギー要求量のことです。
例えば、肥満の犬に一般的なフードの量をあげてしまうと、体重がより増加してしまいます。
反対に、削痩している犬に一般的なフードの量では足りません。
このように個体ごとの必要なカロリーをRERに係数を掛けて算出します。
係数はあくまでも目安です。
様々な栄養学本で書いてることが異なり、あくまでもおおよそで考えておくと良いでしょう。
係数の内容は計算ツールで確かめてください。
MERを使わない理由は?
MERは「維持エネルギー要求量」と言い、現在の体重を維持するために必要なエネルギー量のことです。
このMERには、エネルギーを多く使うような「若齢、繁殖、健康状態など」が考慮されていないので、
RERに係数を掛けるほうが、個体ごとに合った「1日あたりのエネルギー要求量(DER)」を求めることができます。
犬・猫の給与量カロリー計算ツール の使い方
使い方はとてもシンプルです。
手順
- 体重を入力する
- 係数を選択する
- 100gあたりのカロリーを入力する
- 1日何回かを入力する
この4つを入力すると自動で計算してくれるので、わざわざ電卓をたたく必要はありません。
1回のグラム数が表示されるので、それをもとにあげましょう。
ただし、療法食や疾患によって1回の量は異なるので注意が必要です。
疾患や状態によって給与量は変わるので注意!
例えば、腸炎の患者さんではRERの1/4量程度にして、1日3~4回の少量頻回であげます。
下痢や嘔吐などがなければ、2~3日かけて徐々にRERまで増量するようにします。
このように、疾患ごとで1回の給与量やRERが異なるので個体ごとに調整しましょう。
まとめ
犬・猫の給与量カロリー計算ツールを使うと
- RER:安静時のエネルギー要求量
- DER:1日あたりのエネルギー要求量
- 1日あたりの給与量(目安)
- 1回あたりの給与量(目安)
これらを自動で計算してくれます。
疾患や個体ごとによってRERや給与量が異なるので、最後はご自身で調整しましょう。
消化器疾患以外の子にはぜひ使ってみてくださいね。
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