最近、ヒト医療では患者の呼称を「様」から「さん」にしよう!という動きがあります。
「様」をつける理由は、患者ファーストの医療や接遇を意識したことから、患者のことを「様」をつけて呼ぶようになったようです。
日本人は「お客様」を丁重に扱うというおもてなしの心があるので、患者ですら「お客様」として扱っていますよね。
ただ、その一方で「お客様として扱うのはいかがなものか」などの指摘もあり、呼称を「さん」にする医療機関が増えてきたそうです。
では動物病院での「患者や飼い主」はどのように呼べばいいのか、考えていきたいと思います。
飼い主と患者は別々で考える
ヒト医療での患者は人間ですが、動物病院での患者は動物です。
となると、動物(患者)を「さん」や「様」と呼ぶのは適切ではないですよね。
やはり、動物には「~ちゃん」や「~くん」と呼ぶことが多いでしょう。
次に、飼い主について考えます。
飼い主はあくまでも人間です。さらに言うとお金を払う人になります。
そうなれば、飼い主はお客様として扱うことが適切なのでしょうか。
動物病院では飼い主のことを「~様」と呼ぶことが多い
実際、ほとんどの動物病院では飼い主のことは「~様」と言っているのが現状です。
患者は動物ですが、お金を払うのは人間ですから当然と言えば当然です。
ただ、一部の動物病院ではヒト医療の呼称変更を意識して、飼い主のことを「~さん」と呼んでいるところも、見かけるようになりました。
ですが、やはり飼い主は患者本人ではないので、「お金を払う人=お客様」という考えがまだまだあるようです。
飼い主さんを「~さん」と言うのか、「~様」と言うのかは、病院長次第ですが、医療にフォーカスを当てた場合、過度なお客様意識は捨てたほうが良さそうです。
動物病院と飼い主の関係は対等であるべきですからね。
「~様」と呼ぶことでクレームが増える可能性も!
接客業には必ずクレームが存在しますが、クレームはそのサービスの気づかなかったところを指摘してくれる貴重な財産だ!というのは一旦置いて、「~様」と呼ぶことで過剰なお客様意識を助長し、クレームを生みやすくしているのです。
そしてそのクレーム対応等によって、診療に影響が出てしまうこともあります。
「~さん」と呼ぶことでクレームが絶対に減るかというと、そういうことではありませんが、少なくとも過度なお客様意識を無くしていくほうが建設的ではないでしょうか。
まとめ
やはり今の時代の流れからも、患者本人ではない飼い主であっても、呼称は「~さん」にするほうが、過剰なお客様意識を無くすという意味で、適切だと言えるでしょう。
ヒト医療と違い、獣医療は「飼い主ー患者ー動物病院」という関係性です。
自分の言葉で伝えることが出来ない患者だからこそ、飼い主とは対等な関係で、一緒に病気と向き合っていきたいですね。
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