一般的にクライアントエデュケーションはあまり聞きなれない言葉かもしれません。
そもそも、
・なぜ動物看護師がやるの?
などについて疑問に思う方も多くいらっしゃると思います。
愛玩動物看護師専門の当サイトが「クライアントエデュケーションの意味」などについて詳しく丁寧に解説していくので、「初めて聞いた!、詳しく知りたい!」という方はぜひご覧ください。
クライアントエデュケーションってなに?
クライアントエデュケーションとは、「犬や猫の飼い方やしつけ、病気の予防」などを飼い主に教えることを言います。
クライアント(Client)は「飼い主」で、エデュケーション(Education)は「教育」です。
つまり、犬や猫が健康で安全に暮らせるよう、動物看護師が飼い主へ指導するという意味になります。
では、クライアントエデュケーションの具体的な内容はどのようなものか見ていきましょう。
クライアントエデュケーションの内容
犬や猫を飼う上で必要な知識を幅広く教える必要があります。
具体的には、
- しつけ
- 狂犬病
- ワクチン
- 健康診断
- グルーミング
- 栄養に関する知識
- 病気に関する知識
- 犬とのコミュニケーションについて
などです。
犬や猫などの生き物を飼うには知識が必要です。
ですが、初めて犬や猫を飼う人に最初から知識はありません。
それによって、「子犬の異物誤飲、偏った栄養、未避妊・未去勢による望まない妊娠や病気」などが起きやすくなってしまいます。
また、とある名言に『予防に勝る治療なし』という言葉があります。
これは「病気になってから治療するよりも、予防して病気になりにくくする方が良い」という意味なんですが、私たち動物看護師の役目はまさにこれです。
飼い主にできる正しい予防を教えていくのも、動物看護師の大切な仕事になるんです。
犬の歯石は予防で防げる!?
少し話はそれますが。
一般的に、歯垢は3日で歯石になり普通の歯磨きでは取れにくくなってしまいます。
さらに、歯石を放置していると「歯周病や外歯瘻、内臓の腫瘍」などの病気になる可能性もあって、重度の場合は口腔内の細菌が全身に回って死に至ることも。
ただ、これらは歯磨きやスケーリング(歯石除去)で防ぐことができます。
飼い主に歯磨きのやり方を教えたり、スケーリングの必要性を伝えたりする事こそが「クライアントエデュケーション」です。
スケーリングは必ず全身麻酔下で行います。
しかし、飼い主によっては麻酔に抵抗がある方ももちろんいらっしゃいます。
麻酔をするしないは飼い主に決めて頂く必要はあるのですが、麻酔の内容や安全性などをしっかり伝えたうえで判断してもらうようにしましょう。
飼い主の「全身麻酔=危険」という思い込みもまた、クライアントエデュケーションが出来ていないことによる危険性かもしれません。
クライアントエデュケーションのやり方
動物看護師が飼い主に指導する方法はいくつかあります。
例えば、
- 院内ポスター
- 講習会
- 問診
- ブログ
- SNS
などがあります。
仮に院内ポスターを活用する場合は、「犬や猫が食べてはいけない食べ物の一覧」を掲載したり、実際に愛犬と歯磨きを試してみる講習会を開いたり、ブログやSNSで病気の知識や毎日のグルーミングについて発信したり、様々な方法で行えます。
また、動物看護師は外来の最初から最後までを担当することがあるので、チャンスはたくさんあります。
どういうことかと言うと、「外来の受付⇒問診⇒お薬のお渡し⇒お会計」などのように飼い主と接する時間は極めて多いです。
コミュニケーションをしっかりと取れば、クライアントエデュケーションはどこでもどのタイミングでも出来る可能性があるのです。
そもそも動物看護師は飼い主に指導してもいいの?という疑問を持っている方もいるかと思います。
勤務先の動物病院によってもルールは異なりますが、原則「診断に関する具体的な内容、治療に関する具体的な内容、病気に関する具体的な内容」以外であれば可能です。
例えば、手作り食にしている飼い主にペットフードの種類や栄養に関することを教えたり、子犬を連れた飼い主にしつけや爪切りなどのグルーミングを教えることができます。
ただし、当然ながらにそれ相応の知識は必要です。
動物看護師がどこまでしていいのか、やってはいけないのかについては下記の記事もご参考にしてみてください。
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まとめ
クライアントエデュケーションは「犬や猫が毎日健康で安全に暮らせるようにするための指導」です。
一見すると、「偉そうだ!」とか「国家資格でもないのに!」などと言う人がいるかも知れません。
ですが、犬や猫のサポートをするのが動物看護師の使命であり、飼い主に必要な知識を教えるのも重要な役目なのです。
コツコツと出来ることから始めて、少しでも犬や猫が幸せに暮らせるようにクライアントエデュケーションを通してサポートしていきましょう。
なお、動物看護師の国家資格化については下記の記事をご参考にしてみてくださいね!
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