私たち動物看護師は動物看護を行うにあたって、経過などを細かく記載した” 看護記録 “を書かなくてはいけません。
ただ、動物看護師たちの中でも看護記録が苦手!という方は多くいると思います。
ここでは、
・動物看護記録の目的は?
・動物看護記録の書き方のポイント
・動物看護記録の注意点
などの「動物看護記録の基本」について、愛玩動物看護師専門の当サイトが詳しく丁寧に解説していきます。
動物看護記録のSOAP形式の書き方についてはこちらの記事をご参考にしてください!
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動物看護記録とは?
はじめに、動物看護記録とは「患者の状態や症状の経過、動物の性格、日常生活に関すること、動物看護の内容」などについて記録したものを言います。
動物看護記録は動物病院における公的な記録になるため、動物看護に関する情報は正確に記載する必要があります。
動物看護記録の目的
動物看護記録の目的は「現在の問題点や動物看護内容の振り返り、治療計画」などに必要な情報となります。
また、この動物看護記録の内容をもとに、他スタッフへの申し送りや引継ぎを行うことができます。
さらに動物看護記録をすることで動物看護の一連の過程が分かるので、評価と実践を繰り返してより質の高い動物看護を提供し続けていきます。
動物看護記録の書き方のポイント5つ!
①正確に記録をする
動物看護記録に記載する内容は事実のみです。
自分の勝手な憶測で書かないようにしましょう。
動物看護を実施した場合はなるべく時間を空けずに素早く記録するようにし、行っていないケアを事前に記録しておくことは絶対にやめましょう。
②責任の所在を必ず記録する
記入者はもちろんのこと、指示された者、指示した者、看護介入を実施した者、担当獣医師、担当動物看護師など、責任の所在が分かるように名前を必ず明記します。
また、5W1Hに沿って『いつ・どこで・だれが・何を・なぜ・どのように』したのかという情報も重要な記録になるため漏れずに記載しましょう。
③正しい言葉・表現を使う
獣医療従事者なら誰が見ても理解できるような正しい言葉や表現を使います。
例えば、『エマった』や『ステる』など医療業界のみで使われている用語はふさわしくありません。
『エマった』であれば『心肺機能停止もしくはCPA』と表現し、『ステる』なら『死亡』と書くようにします。
動物病院独自の表現はなるべく使用せずに、正しい名称で記録することを意識しましょう。
④簡潔に記録する
動物看護記録の作成に時間をかけすぎないよう注意しましょう。
内容を整理して簡潔に記録します。
また、必要に応じて共通認識されている略語や専門用語を使用しましょう。
例えば、『血圧BP(blood pressure)やBW(body weight)、T(体温)P(脈拍数)R(呼吸数)』など。
時間短縮は動物看護の質を上げることに繋がるのでとても大切です。
⑤プライバシーに配慮する
飼い主との会話内容などのやり取りの記載には十分注意する必要があります。
『性格や宗教、経済的事情、生活環境』など、倫理的な配慮をもって記録するようにしましょう。
あくまでも、動物看護介入に必要な事実のみだけを記載します。
動物看護記録の注意点
動物看護記録は個人情報を多く扱う作業の一つです。
そのため、個人情報保護法の28条によりカルテの開示を求められた場合は応じなくてはいけません。
公的な記録をしているという意識をもって、” 正確に事実のみ “を記録します。
間違っても、憶測やエビデンスのないことで記載しないのは当然ながら、個人情報もむやみに記載しないように気を付けましょう。
まとめ
動物看護記録は動物看護師が行う公的な記録です。
申し送りや引継ぎ、治療計画を立てる際にも確認します。
動物看護の過程を記録することで、正しく行われていたか振り返りし評価することができるので、より質の高い動物看護を提供することができます。
動物看護記録について院内でディスカッションするのも良いでしょう。
動物看護記録に使用する略語や専門用語はこちらをご参考にしてください!
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