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動物病院で用いられる主な滅菌法「ACとEOG」

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動物病院では動物看護師が滅菌作業を担当することがあります。

滅菌作業をするには、滅菌に関する正しい知識が必要です。

例えば、

・滅菌法の種類
・EOGの滅菌条件
・ACの滅菌条件
・ケミカルインジケーター

などを理解しなくてはなりません。

これらを愛玩動物看護師専門の当サイトが詳しく丁寧に解説していきます。

滅菌作業をこれからやってみたい!という方はぜひご参考にしてください!

目次

滅菌法は主に2種類

動物病院で用いられる主な滅菌法は、「高圧蒸気滅菌法」と「エチレンオキサイドガス滅菌法」の2種類です。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

ちなみに、

滅菌とは、物質中のすべての微生物を殺滅又は除去することをいう

第十四改正日本薬局方:0206-1.pdf (nihs.go.jp)

高圧蒸気滅菌法(AC)

高圧蒸気滅菌法とは、オートクレーブという高圧蒸気滅菌器を使って行います。

115~135℃に達する高温・圧力の飽和水蒸気で加熱することにより、短時間で微生物を殺滅する方法になります。

オートクレーブでは、115℃以上の高圧蒸気に耐えられる器具や器材を庫内にいれます。
滅菌を開始すると、庫内が真空状態となりその後は高圧の蒸気で滅菌されます。
滅菌が終わると、蒸気が排出し乾燥されて全行程が終わります。

オートクレーブで滅菌する際には、適した温度・時間に設定する必要があります。

日本薬局方の条件によると、

温度滅菌時間
115~118℃30分間
121~124℃15分間
126~129℃10分間

参考リンク:第十四改正日本薬局方,微生物滅菌法

のとおりになります。

また、施設によっては温度が134℃で8~10分間の条件で滅菌を行うことがあります。

エチレンオキサイドガス滅菌法(EOG)

エチレンオキサイドガス滅菌法は、酸化エチレンガス(炭酸ガスを含む)の毒性を使って微生物を殺滅する方法になります。

EOGを使った滅菌はとても強力な滅菌法です。
ACと異なり、低温(38~60℃)で作用するので高温に耐えられない器具や器材を滅菌するのに適しています。
ただし、EOGの場合は全行程で12時間以上の長時間のため、急ぎで使用する器具や器材には適していないでしょう。

ちなみに、酸化エチレンガスは取り扱いに注意しなければ人体に悪影響を及ぼす可能性がありますが、

高圧蒸気滅菌法ではできない「プラスチック製品やゴム製品」の滅菌処理にはEOGが必要不可欠です。

参考リンク:jstage,エチレンオキサイドガスの毒性とその管理

その他の滅菌法

動物病院ではあまり行われない様々な滅菌法があります。

例えば、

  • 乾燥滅菌
  • 火炎滅菌
  • ろ過滅菌
  • ガンマ線滅菌
  • 電子線滅菌

などです。

私たちがよく使用するシリンジは電子線滅菌でされています。

器具や器材の特徴などによって、それぞれの適した滅菌法で行われます。

では、実際に動物病院で滅菌が正しくできているかの確認をどのようにするのか次で見ていきましょう。

ケミカルインジケーター

ケミカルインジケーターという滅菌テープを使用して滅菌の確認をします。

正しく滅菌されると、このテープの色が変化します。

滅菌テープはAC用とEOG用にそれぞれ分かれており、滅菌パックに貼り付けてから庫内に入れて滅菌を開始します。

滅菌後にはテープの上に、滅菌日や内容等を書くのが動物病院では一般的です。

まとめ

動物病院で用いられる主な滅菌法は「高圧蒸気滅菌法」と「エチレンオキサイドガス滅菌法」です。

オートクレーブでは滅菌が短時間で終了しますが、高温・高圧に耐えられる器具や器材でなければなりません。

一方、 エチレンオキサイドガス滅菌法ではゴム製などの高温に耐えられない器具や器材でも滅菌できますが、長時間になります。

それぞれ適した滅菌法を選ぶようにしましょう。

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