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【動物看護師】血液検査の基本

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動物看護師においては、血液検査をスムーズに行うことはとても重要です。

検査項目を正確に測るだけでなく、検査内容や数値の基準も知っておくことで、

獣医師のサポートが大いにできます。

ただ、1年目の動物看護師は分からないことが分からないですよね。

例えば、
・そもそも血液検査は何をするの?
・血液検査の項目は?
・CBCとは?
・生化学検査って?

など

また、採血の際には「動物の保定と駆血」も大切です。

愛玩動物看護師専門の当サイトが「動物看護師が血液検査をするときのポイントや注意点」を詳しく丁寧に解説していきます。

血液検査について不安がある新人動物看護師さんは、ぜひ読んでみてくださいね。

目次

動物看護師が血液検査をするときの3つのポイント

動物看護師が血液検査をする際には、3つのポイントがあります。

①しっかりと保定・駆血をする

血液検査をする際には、まずは動物から採血をする必要があります。

動物看護師においては、犬や猫の保定と駆血が重要な仕事となります。

保定とは、犬や猫が動かないようにする、おさえ方のことです。

「いざ採血をしよう!」としても、動物は人のように黙ってはいません。
大暴れしたら採血どころではなくなってしまうので、しっかりと動きを制御する必要があります。
また、保定と同時に血管を怒張させる『駆血(くけつ)』をする必要もあります。

「保定のやり方やコツ」については、こちらをご参考にしてください。

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この保定と駆血は、ストレスや時間をかけずに採血を行うため、

動物や人がケガをしないために重要な仕事となります。

ちなみに、愛玩動物看護師法では愛玩動物看護師が採血できるようになるので、

今のうちに練習しておきましょう。

愛玩動物看護師法についてはこちらの記事をご参考にしてください。

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②検査項目を正確に測定する

次に、採血した血液をスムーズに検査することが重要です。

獣医師の考えにより検査項目は決定するので、その都度「どんな項目を検査するのか?」確認する必要があります。

一般的な血液検査においては、

  • ヘマトクリット管
  • EDTA管
  • ヘパリンチューブ

に血液を分注して、それぞれ検査を行います。

ヘマトクリット管

ヘマトクリット管とは、ガラス製の細い管のことで、血液に占める赤血球の容積を測ることができます。

毛細管現象を利用して血液を注入し、遠心分離器にセットして検査を行います。

EDTA管

血液が固まってしまわないように『抗凝固剤』が内側に塗られた専用チューブに分注し、

よく混じるように転倒混和(静かに上下させること)をします。

その後、全自動血球検査器に検体をセットして測定します。

CBC(complete blood count) と言われ、赤血球数や白血球数、ヘモグロビン量やヘマトクリット値などの検査項目を測定できます。

ヘパリンチューブ

ヘパリンチューブに分注した血液では、生化学検査を行います。

生化学検査では、肝臓や腎臓、電解質や炎症の値などのあらゆる臓器や状態の検査が可能です。

血液を分注し、小型の遠心分離機にかけて「血球と血漿(血清)」に分離させます。

獣医師から指示のあった検査項目のスライドを用意し、全自動分析装置に血液をセットすることで検査を行います。

③検査内容と数値の基準を理解する

血液検査では、上記でお伝えしたもの以外にも、

  • フィラリア検査(顕微鏡で見たり、キットで検査を行う)
  • 抗原・抗体検査(パルボウイルス感染症や猫白血病・エイズといった病気の検査)
  • 血液塗抹検査(血球の形や種類、数を見て、貧血や感染症、腫瘍細胞、骨髄の異常などを判断)
  • ホルモン検査(甲状腺疾患や副腎疾患におけるホルモン値の測定)

…などを行うことができます。

それぞれ機器や特殊なキットを使って行います。

場合によっては、外注検査(外部の検査機関に依頼)を行うこともあります。

どんな検査がどんな意味を持つのか?をあらかじめ知っておくことも重要です。

検査結果の基準値も勉強しておくことで、明らかな異常値の場合には再検査を獣医師に確認することも可能です。

動物看護師が血液検査をする際の注意点

動物看護師が血液検査をする際には、上記ポイントをしっかり行うことが重要です。

ただし、血液検査に熱中するあまり、他の仕事がおろそかになってしまってはいけません。

というのも、血液検査は時間がかかる検査なので、付きっきりで行うと他の仕事ができなくなってしまうからです。

常に獣医師や他の動物看護師の動きや望んでいることを読み取り、効率よく動物病院を回していく必要があります。

 
動物看護師
「あと○○分くらいで遠心分離が終わるから、その間に○○をしておこう!」
 
動物看護師
「この獣医さんは、なるべく早くに結果がほしそうだから、こっちを優先しよう!」

などと、状況に応じて血液検査をすることが重要です。

1年目の動物看護師の場合には、ちょっと難しいかもしれませんが、

効率よく仕事を回していくことは動物病院の運営だけでなく、自分の評価にもつながります。

ぜひ、まわりをしっかり見て仕事をしましょう。

まとめ

動物看護師が血液検査をする際には、

  • しっかりと保定・駆血をする
  • 検査項目を正確に測定する
  • 検査内容と数値の基準を理解する

という3つのポイントが重要です。

動物病院においては、来院する動物の症状に合わせて様々な検査が行われます。

血液検査についてしっかり勉強をし、同時に動物病院全体の動きを把握して、立派な動物看護師になりましょう!

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