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動物看護は「動物看護の意識レベル」がとても重要です!※GCSではありません

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動物看護をしていて、こんな経験はありませんか?

例えば、

この患者さんはいつからこの状態なの!?
レベル下がってるけど先生に報告した?

1時間前に見たとき、特に変わった様子は、、

実はこれ、「些細な変化に気づいていない」というのが原因なんです。

人と違って動物はなかなか感情が読めませんよね。

なのでちょっとした変化にも気づきにくいのです。

そこで「動物看護の意識レベル」を使用すると、看護の質をあげることが出来ます。

でもでも、

  • 意識レベルってなに?
  • それで些細な変化が分かるの?

と、今は疑問に思っても頂いても大丈夫です!

愛玩動物看護師専門の当サイトが詳しく解説していきます。

これを読んだ皆さんが、明日から実践できるように丁寧にお話ししていきますね!

目次

この記事を見ると

  • 意識レベルの意味が分かる!
  • 「GCS」と「動物看護の意識レベル」の違いが分かる!
  • 明日から実践できるようになる!

動物看護の意識レベルとは?

「動物看護の意識レベル」は、動物看護師の五感や経験を使った主観的な総合評価になります。

五感とは、「視る、聴く、嗅ぐ、触る、感じる」五つの感覚のことです。

※一般的に五感は「舌」が含まれますが、ここでは「感じる」にしています。

経験とは、今までに得た知識や動物種の特徴、患者の性格・クセを知っているという意味です。

「動物看護の意識レベル」は、10%~100%で表します

※0%は死を意味します。

例えば、

ケージを開けた時に、こちらに向かってくるなら、100%。
ケージの奥から動こうとしないなら、80%。
横になって起立ができない状態なら、50%。
触っても頭をあげないなら、30%。

このような、評価基準です。

主観的だと、同じ患者(動物)でも見る人によっては意識レベル80%という人もいれば、

60%と評価する人もいますが、それでも問題ありません。

ここで大事なのは、評価ルールに沿った一定の基準だけで判断していないということです。

下記で詳しく解説しますが、意識レベルの評価で有名な、GCS(グラスゴー・コーマ・スケール)があります。

「動物看護の意識レベル」はGCSとは異なりますが、どのように違うのか見ていきましょう。

GCS(グラスゴー・コーマ・スケール)とは?

GCSとはGlasgow Coma Scaleの略です。

ヒト医療で国際的に用いられている「意識障害の評価法の一つ」になります。

開眼機能、言語機能、運動機能にそれぞれ点数が振り分けられており、

正常は15点満点、深昏睡は3点で、点数が小さいほど重症と判断します。

参考サイト:Glasgow Coma Scale – Wikipedia

「GCS」と「動物看護の意識レベル」の違いは?

  • GCSはヒト医療で用いられる意識障害の評価で、合計の点数によって重症度や緊急度を判断できます。
  • 動物看護の意識レベルは「動物看護師の五感、動物種の特徴、患者の性格・クセ」などを含めた総合評価です。

GCSが動物に使えない理由として、GCSの評価基準にある「呼びかけたり、発声、命令に従って」などは

犬猫だと評価できないからです。

動物は話すことができないので一定の評価基準だけでは、正確に評価をすることは困難です。

動物看護の意識レベルで状態を詳しく把握できる

動物看護師は五感を使って看護をします。

例えば

  • ケージを開けたり、触ったときの反応を見る(視る
  • 聴診器で心、肺、腸の音を聞く(聴く
  • 尿や便の臭いを確かめる(嗅ぐ
  • 痛むところが無いか触ってみる(触る
  • 経験や直感に従う(感じる

患者の様子がいつも違う時と思った時は、この五感のいずれかに反応しています。

もし、患者が膵炎ならお腹を丸めるようにしていたり、お腹を触るとキャンと鳴いたり。

心臓が悪い子であまり動こうとしなかったり。

五感を使った結果を%で表すのが「動物看護の意識レベル」です。

他にも、いつも健康診断で来るときは意識レベル100%の元気なワンちゃんが、

症状が出ると80%や60%などに意識レベルが下がると思います。

このように、%で表すことで「正常と比べて今どのような状態なのか」が、

詳しく分かるようになります。

カルテに記録しておこう

動物看護の意識レベルをカルテに記載しておくことで、このようなことが分かります。

例えば、

入院当初は意識レベル50%(横になって起立もできない)だったのが、次の日の朝は意識レベル70%に改善。
※70%は歩行も出来る状態だけど、あまり動こうとしない
さらに夕方は90%に(ケージを開けると近寄ってくる)。

症状が良くなり回復してきているときなど、「いつと比べてどのくらい良くなったか」というのも、

より詳しくイメージできるようになります。

また、その場にいなかったとしても、誰でも意識レベルが改善したということが分かりますね。

もちろん、普段のしている看護記録と合わせて行いましょう。

動物看護の意識レベルで急変に備える

先ほどは回復してきているときを例にしましたが、

反対に意識レベルが下がっているときにも有効です。

例えば、

入院当初は尻尾を振って近づいてきて意識レベル100%だったのが、その数時間後、いきなり意識レベル50%に下がっている。
また、1時間後には30%にまで低下。

このような状態であればその場にいた人は当然分かりますが、夜間の入院管理があるような動物病院で、

後から来た人は100%だったときを知りません。

しかし、カルテに記載されていれば、尻尾振ってくるような100%の状態から30%になるほどの、

何かがあるのだと理解することができます。

意識レベルで使われている用語

動物看護の意識レベルは%で表しますが、意識障害を表した一般的な意識レベルの用語もあります。

用語意味
意識清明正常な状態。正しく反応する
傾眠うとうとして眠りに落ちている状態。軽度の刺激で反応する
嗜眠痛みや強い刺激で一時的に反応する。刺激をやめると元の状態に戻る
混迷かなり強い刺激で一時的に反応する。
昏睡完全に意識が無い状態。

意識清明から昏睡にかけて、生命の危険が伴う重大な意識障害です。

重責発作や脳神経外科などの神経疾患の患者さんではよく使われています。

神経学的な意識レベル(意識障害)と動物看護の意識レベル(主観的な評価)を合わせ使うと良いでしょう。

まとめ

動物看護の意識レベルとは、五感を使った主観的な総合評価のことです。
動物看護師自らの「目、耳、鼻、手」を使って患者の状態を把握し、犬種の特徴や患者の性格・クセなどの経験を含めた主観的な総合評価をします。
動物看護の意識レベルの表し方は10%~100%です。※0%は死を意味します。

カルテに記入しておくことで、患者が「いつからどのような状態だったのか」を素早く把握することができます。

普段の看護記録と合わせて明日から使ってみてくださいね!

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