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【動物看護】バイタルサインの「呼吸」を深める

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「呼吸」はバイタルサインの基本ですが、動物看護にとっては重要な意味を持ちます。

ヒトと違い動物は、息苦しい状態だったとしても言葉で伝えることが出来ないので、

人間がその判断をしないといけません。

ただ、その苦しい状態を客観的に評価するためには、

・呼吸数
・呼吸様式
・呼吸のリズム

を知っておく必要があります。

これらについて愛玩動物看護師専門の当サイトが詳しく丁寧に解説していきます。

明日から実践できるようにしていきましょう!

ちなみに、バイタルサインとは?という方はこちらを先にご覧ください。

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目次

呼吸から分かること

通常は、息を吸って吐いてを無意識に一定のリズムで行いますが、

身体全体や呼吸器系の異常によって、

  • 呼吸数
  • 呼吸様式
  • 呼吸のリズム

に変化が生じます。

これらをよく観察することで、患者(動物)の状態をより詳しく知ることができます。

しかも「呼吸」は他のバイタルサインと違い、もっとも非侵襲的なので、自分の目と耳さえあればどこでもバイタルが取れます。

【非侵襲的とは】
身体に負担を与えないという意味です。

例えば、体温は直腸に体温計を入れる必要がありますし、脈拍は股動脈などに手を触れる必要があります。
血圧はカフを尻尾や四肢に巻いて、体重は体重計に乗せないと測れません。
唯一、呼吸だけは体に触れることなく「目視」だけで測定できます。

それでは上記3つを詳しく見ていきましょう。

呼吸数

呼吸数で大事なことは、平均呼吸数より異常に増加しているか減少しているかです。

増加している状態を「頻呼吸」と言います。
頻呼吸は「疼痛、興奮、発熱、呼吸器系疾患、酸素欠乏、心不全、神経系疾患」などで見られます。

減少している状態を「徐呼吸」と言います。
徐呼吸は「頭蓋内疾患、頭部外傷」などで見られます。

ちなみに、似ている用語に過呼吸浅呼吸がありますが、意味は異なります。

過呼吸は「呼吸数と呼吸の深さが増加している状態」です。

浅呼吸は「呼吸数が増加して、呼吸が浅い状態」です。

また、呼吸数を測定するときは、胸郭の動きや鼻孔の開閉を観察して1分間の数を測ります。

胸郭の動きが見えないなどの場合は、鼻孔の先に指や紙をおいて動きを確認することもできます。

呼吸様式

呼吸様式は、呼吸数と合わせてとても大事な項目です。

呼吸様式は大きく分けて「努力呼吸」と「奇異呼吸」になります。

努力呼吸

努力呼吸とは、通常の呼吸(胸郭・横隔膜)だけでは呼吸が困難になる場合に、普段使わない呼吸補助筋を使うことを言います。

簡単に言うと、普段使わない筋肉も使った呼吸ということです。

呼吸補助筋は「首、胸、背中、腹」の筋肉になります。

奇異呼吸

奇異呼吸とは、通常の呼吸時の動きとは逆の動きになる異常呼吸のことを言います。

普段の呼吸では、吸気時に胸部・腹部は膨らみ、呼気時は胸部・腹部はへこみますが、

奇異呼吸では吸気時に胸部がへこみ、腹部が膨らみます。

呼気時は胸部が膨らみ、腹部がへこみます。

ちなみに、この呼吸のことをシーソー呼吸と言います。

次は呼吸のリズムについてです。

呼吸のリズム

通常では呼気と吸気が一定のリズムで規則正しく行われますが、

意識障害などでは異常呼吸が見られます。

チェーン・ストークス呼吸

チェーンストークス呼吸とは、浅い呼吸から深くなった呼吸が一時的に停止し、

一定時間の後に再び同じサイクルの呼吸を何度も繰り返します。

重度の心不全や呼吸中枢のO²欠乏などで見られます。

ビオー呼吸

ビオー呼吸とは、無換気状態から急に深呼吸を開始する状態の異常呼吸です。

また、チェーンストークス呼吸と異なり、ほとんどは一過性です。

髄膜炎や脳炎などで見られます。

クスマウル大呼吸

クスマウル大呼吸とは、極端に深い呼吸が規則的に続いている状態のことです。

糖尿病の昏睡時などで見られます。

まとめ

バイタルサインの「呼吸」からは、

  • 呼吸数
  • 呼吸様式
  • 呼吸のリズム

の3つが患者に侵襲を与えることなく、呼吸状態の確認ができます。

他にも、肺水腫などの肺疾患では異常な呼吸音が聞こえる場合もあり、

呼吸から得られる情報はとても重要です。

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